家作りに年齢は関係ない、「想い」が大切
ハウスメーカーに勤めている従業員が、「家づくりに年齢は関係ない」と感じる事の出来たエピソードを紹介します。
以前、70歳代の女性から家を建てたいと相談を受けました。
その方は一人暮らしで、残された人生もあまり多くはありません。
なぜ家を建てたいのか、私はその理由を聞いてそのご婦人の夢を現実にしてあげたいと考えたのです。
その理由とは、
最近亡くなったご主人と一緒に観た映画に出てくる家と同じような家で残りの人生を過ごしたい、というものでした。
子供もみんな就職や結婚で巣立って行き、「残りの人生は主人と二人で平凡に静かに暮らしていこう」と夫婦二人で考えていた矢先にご主人が天国へと旅立ってしまい、その後ご主人が毎晩書いていた日記を読んでみるとそこには、ご主人の夢がびっしりと書いてあったそうなのです。
そこには、「いつか妻と二人で観た映画のワンシーンに出てくる家に住んでみたい。」と記してあり、その映画を観た後に妻が言った「らせん階段のある部屋のシーンが大好き!あれみたいにあなたを出迎えてみたいわ!」と言っていた笑顔が忘れられない。とも記してあったそうです。
その笑顔をまた見る為に、ご主人はお金を貯めていたそうで、日記と一緒に挟んであった通帳を確認してみると、本当に家を買う資金が貯められていたそうです。
子供たちとも相談し、残してくれていたお金を使ってあの映画に出てきた家と同じ家を建てよう!という事になり、今回ハウスメーカーに立ち寄られたようなのです。
この話を聞いた時、私はこの話が全て映画のワンシーンのように感じ、一緒に理想の家づくりをしていきたいと心から思いました。
その後、何度も間取りやインテリアについての相談を重ねて、夢だった映画と同じような家を建てる事が出来ました。
完成後に家にお邪魔させてもらった時、ご婦人は本当に幸せそうに出迎えてくれました。
部屋にはご主人が生前描かれた絵や撮られた写真などが所狭しと飾られ、ご家族の写真などもあらゆる場所に飾られており、温かな空間が広がっていました。
子供たちも前よりも帰ってくる事が増え、今後一緒に暮らす予定なのだと伺いました。
家作りに適齢期は無く、70歳を過ぎても想いを形にする事ができ、毎日生活していく豊かさを手に入れたようです。