厳しい規制をクリアすれば延焼しにくい構造の家が建つ
もらい火をしやすい場所はココ!
隣の家との距離が近かったり、家から道路が近かったりする場合には「延焼」しやすくなってしまう為、耐火性の高い材料を使わなければいけないと法律で決まっています。
特に道路中心線や隣の家の境界から、1階の場合は3メートル以内、2階の場合は5メートル以内の場所が延焼の恐れのある部分ですので、注意が必要です。
万が一隣の家が火事になってしまった場合に、自分の家に炎が燃えうつる事を防ぐ為に、外壁や屋根には耐火性のある構造の材料を使わないといけませんし、玄関や窓なども防火戸を使用しないといけないのです。
戸建よりも厳しい規制のあるマンション
戸建だけではなく集合住宅に関しても耐火性能は大事です。
マンションにも戸建と同じような基準がありますが、敷地も広いし、隣の建物との距離も離れているから安全だと思われがちですが、不審火等の問題もある為、車や自転車の駐車場、ゴミ捨て場などからの延焼も防がなければいけません。
消火法によって、防火構造の窓やドアを使うなど戸建住宅よりも厳しい規制がマンションには課せられています。
大きな問題になった耐火偽装事件
2007年に大手の建材メーカーによる耐火偽装が発覚しました。
家の軒裏部分に使われる仕上げ材のボードに耐火性能を施さなければいけないのですが、このメーカーは仕上げ材を作る際に使われるケイ酸カルシウム板を偽装したのです。
実際には火災の時に45分間は炎を遮断する事が出来る物を使わなければいけない所、約30分間しか遮る事の出来ないボードを使用していたのです。
この偽装されたボードは、全国にある10万棟もの家に使われていました。
しかも大臣認定試験を受ける際に偽装をしたので、認定判定が市民にとって信用度が低くなるという事も起こったのです。
もしも、このボードが取り付けられている家が火事になった場合、短時間で炎が回ってしまうので避難をするのに時間がなくなり危険な目に合ってしまうかもしれません。
偽装のあった耐火材については、大臣認定の取り消しが行われましたが、市民の安全を脅かす事件として大きくニュースなどで取り上げられました。