■思い出を家づくりに取り入れる
家づくりを考えている人が、間取りなどをイメージする時に子供の頃の思い出を参考にする人がいます。
自然溢れる場所に建てられた家や虫取りをした山や森。
その他にも、お婆ちゃんの家みたいな昔ながらのホッとするような家を想像して、間取りに取り入れる事も多くあるのです。
家族みんなで住む家は、家族の絆を感じる家にしたい、子供が大きくなった時に自分の家を思い出して、自分の家づくりの参考にしてもらいたい…そんな風に思う親御さんの意見を参考に家を建てていく事も多くなってきました。
今回は、そんな家族の絆を家づくりに生かした人たちの意見を紹介したいと思います。


■吹き抜けに思い出の木を

小さい頃に住んでいた家の裏山の木を、家づくりに取り入れた家族がいます。
家の中心の吹き抜けに大きな杉の木を立たせ、どの部屋からも見えるように設計したのです。
その気はご主人が小さい頃に遊んでいた木で、木登りなどで克服した恐怖心や冒険心、勇気を子供に伝えるべく、取り入れたいと考えたそうです。
住んでからは木を眺めながら子供との会話も増え、自分も昔を思い出す事が多く、優しい気持ちになれる事が多くなったようです。

■転校が多かったからこそわかる家族の大切さを表した家づくり
お父様の仕事の関係上、転校が多かった施主さんの家づくりでは家族の繋がりを大切にしたいと考え、壁をなくした家を取り入れたのです。
普通、部屋にはそれぞれ部屋があり仕切りとして壁があります。
ですが、この家にはほとんど壁がありません。
大きな吹き抜けがあり、階段を上がると大きな広場があり、その奥に子供が使うスペースがあります。
そこにベットや机を置き、子供が自由に使える空間を作ったのです。
もちろん、成長したら壁を取り付けられるようになっています。
寝室は引き戸にし、入口を広くする事で戸を開けておけば廊下にある広場と一緒の空間になります。
洗面台やお風呂場、トイレ以外は全て同じ空間にいるような感覚になり、家族がずっと一緒にいるような温かい空間です。
プライバシーが無いと思われそうですが、のれんやパーテーションなどで仕切りをつける事で、その部分を補えるように死角になる空間を作れるような間取りになっています。