家づくりで注目されている木の魅力。
どうして木に接していると安らぐのでしょう、あたたかみを感じるのでしょう。
今回は住まいに関して様々なエッセイを書いている幸田文さんからメッセージをいただきました。
木の魅力について読み解いていきましょう。

■エッセイ「しつけ帖」で書かれていたもの

人と木は遠い歴史に出会い今に至っています。
木と触れ合った時に感じるなんといもいえない癒しや和みは、本来木が持っている光沢や色味などの視覚的なものもあるでしょう。
しかしそれだけではなく、使い込んでいくうちに微妙に変化していく経年の美も存在します。
幸田さんはこれをエッセイの中で「冥加」という言葉で表現しています。
ここでの木の魅力を基本にしてもっと理解をしていきましょう。

■反射率でイメージも変わる

木材にはどこを見ても凹凸部分があり、細胞構造で成り立っています。
これによって光が混ざって、つるつるにもざらざらにも表現されないなんとも言えない光沢感が生まれてくるのです。
実はこの凹凸は正反射を微量にしているため、眩しさも軽減されます。
しかし、大理石や石こうは光を全体的に反射するでしょう。
木は紫外線を跳ね返すことを抑えられるので刺激も少なくなります。
逆に赤外線の反射は多くなるため、これによって「あたたかさ」を感じられるようになるのです。

■反射率を気にしたことはありますか?

内装材を選ぶのは個人の嗜好やセンスによって決められるでしょう。
それだけでなく、反射率を気にして選択するとより深みや安らぎを取り入れることができるのをご存じでしょうか?
反射率の高い白いペイントや、アルミ、明るい色のクロスを使用すると都会的でシックなイメージになります。
反射率の低い木や、畳、砂壁は心を落ち着かせてくれる効果があります。
2つのバランスをうまく取り入れて、内装計画していくとよいでしょう。

■木や石などの使い方にこだわりを

健康住宅とは自然素材・無垢材を選択することだと考える人も多いでしょう。
しかし材料と共に付き合っていく上で、木や石などの材料からのむすびつきを拾い出すことも大切です。
材料にも後悔のない生き方をしてもらうためには、素材ひとつひとつの性質を知っておくことも必要なのではないでしょうか。