新築したばかりの建物はどれもキレイで美しいものです。
しかし、時間の経過や、自然環境によって傷んだり汚れたりするのは当然といえるでしょう。
このような自然な老化を防ぐことも大切ですが、劣化を美しくさせるポイントは一体何なのでしょうか?


■建物にある4つの寿命

耐久性や耐震性ばかりに重点的になっていた家づくり。
しかし最近では、柔軟な考え方に変化しつつあります。
建物には4つの寿命が存在していることをご存じでしょうか。
これを視点に、長持ちさせる家づくりを考えていきましょう。

・耐久性や災害に適した家(物理的寿命)
・時間が経っても美しい空間(生活的寿命)
・生活の変化に応じた間取り(資産的寿命)
・価値を残しながらメンテナンスされた家(心理的寿命)

■資産的寿命を伸ばしていく

今までの日本は、築20年もすれば価値が薄れ土地に対しての評価しか残りませんでした。
しかし今後は長持ちをさせて、寿命を伸ばしていくことが重要になってきています。
そのためには、汚れを汚れと感じさせない工夫をすることが一番のポイントになってきます。
特に外装は水の流れをうまくコントロールする必要があるため、屋根、幹の役割を果たす以外に、水アカや雨仕舞の問題を避けることが大切です。

■外装選びの注意点と工夫

・外壁の材料に一番多いのが窯業系建材です。
一年に一度は窓まわりや、出隅、入隅など劣化しやすい場所は目視で確認しておきましょう。

・1階と2階で違った木材を使用することで、材料同士の接着面から水が入り込まないようになります。

・無機系建材は水が材料に入ってしまうと、膨張や収縮が発生するため水が入り込まないように納める工夫が必要です。

■設計段階で経年美を意識する

文化財のように古びた建築物は何故か経年美を感じさせます。
経年によって、色あせたり汚れていても汚れとは思わないでしょう。
例えば外装に木材を使用する場合は、メンテナンス方法と費用を考え、塗り壁の場合はトップコートをするか、光触媒を使うかなど考えていきます。
住まいは生活していくうちに、少しづつ機能も低下していきます。
表情や色や形に愛着を持っていれば、長く使いたいという意識も芽生えるでしょう。
いい家づくりは、この町にずっと住んでいきたいという気持ちの表れでもあるのです。

三重県 不動産