家づくりに大切な風の通り道

家づくりを検討する際に、家相を気にする方も多いのではないでしょうか。
特にトイレや浴室などの水まわりを鬼門に配置してはいけないなど凶相の家に目を向けることもあります。
しかし、家相はそれ以外にも「風」の流れを気にする傾向があります。

■日本の気候は昔に比べて変化している

近年の日本の気候は、昔と違い冬は暖かく雪が降る量も少なくなりました。
反対に夏の暑さは、エアコンなしでは寝付けないことあり、6月、7月の梅雨時期が湿度が高くジメジメした環境になってしまいます。
間取りを考える際に、採光や陽あたりばかりを気にして風を通すということを見落としがちです。
湿気によってカビやニオイが発生してしまうので、間取りが完成したら図面上で風の流れが十分にあるか確認してみましょう。

■風が通る道をつくるポイントとは?

・1つの部屋に対して窓を2箇所つける
・窓の位置関係を確認する
・高窓や地窓なども取り入れる
・階段や廊下にも窓をつける

部屋の出入り口の上に欄間を設けることは、かつての日本家屋ではよく見られました。
欄間には蘭の花を飾り、そこから放つ香りを楽しむことでその名前がついたと言われています。
昔は風情ある家づくりが主となっていましたが、現代の日本は新しい機器設備に目を奪われてしまいがちです。
日本人ならではの豊かな発想で、風の道を取り入れて快適な住まいにしてみませんか。

家相の由来を知った上で本当に必要なものかどうか考えよう!

鬼門の方角に、玄関や水周りを置くと悪いことが起きるといいますが、そもそも日本列島の地形は、北東から南西に傾いたつくりになっています。

■水回りの位置を確認!

山脈に直交して川が流れており、山も川も日本列島と同じ向きで傾いているのです。
ですから、水利を考慮して川沿いに家を造れば自然に家の開口部も鬼門の方角を向くようになってしまいます。
最近では、リビングや部屋を明るい南側に置く間取りが人気になってきているので、水まわりを北にまとめたプランをよく目にします。
そうなると鬼門である北東の方角にトイレや浴室、洗面所などを置いてしまうケースが増えてしまうでしょう。
しかし、歴史学的に考えると日本の鬼門は古代中国の知恵とは何の関係もなく、日本の古の神道が入り混ざってしまったもので、家の中で悪いことが起きるという根拠はどこにもありません。
ただ、古の神道は怨霊信仰が源になっているので何となく恐怖感を抱くのも理解できます。

■家相、風水にこだわる理由

家相や風水にどこまでこだわるのか?
これを判断するには、そう言われる理由や由来などを知った上で、本当に必要なものなのか考えてみる必要がありそうです。
日本に住んでいる以上、国土や住宅事情は避けられないものですが、全てを配慮することは難しいので縁起かつぎ程度ととらえてみてはいかがでしょうか。